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最近、「声に出して読みたい日本語」の著者・齋藤孝氏や国語学者・金田一秀穂氏たちが火付け役となり、ちょっとした日本語ブームとなっています。
僕も日本語を話す人間として、この言語を大切にしたいと考えています。ましてや、僕はHPという形で自分の文章を公開していますし、過去5年間小学校教師として国語科を小学生に指導した経験があります。
そこで、このコンテンツでは、僕の気になった「日本語の誤用」について紹介していきたいと思います。その誤用の多くは、僕が小学生の時、担任の先生に堂々と教えられたり、また教員時代に同僚の先生が堂々と教えていたものです。
しかしながら、僕も勘違いしていたり、認識が誤っている場合もありますので、そのような箇所を見つけられた方はご連絡ください。また、「このような項目を追加して欲しい」などの要望もお待ちしております。ご指摘・要望などの連絡方法は、掲示板もしくはメールにて受け付けます。
2006.8.26up分
「楽しかったです。」
過去系をあらわす「た」と断定を表す「です」をつなげて使うことは、日本語の文法上誤りです。
「です」は、「だ」と同じ意味ですので、「だ」に言い換えて、違和感があるとき、それが誤りであることが分かります。
例えば、「楽しかったです。」は一見違和感がありませんが、「楽しかっただ。」と言い換えるとなんか変な感じがします。同様に、「美味しかったです。」→「美味しかっただ。」や「分からないです。」→「分からないだ」、「ないです。」→「ないだ。」も違和感があるので、誤りだと気づくでしょう。
どうしても「た」と「です」をつなげて使いたい場合は、「の」や「ん」を間に入れると文法上正しくなります。
例:「楽しかったのです。」「楽しかったんです。」「ないのです。」「ないんです。」
しかしながら、テレビ局のアナウンサーが堂々と「楽しかったですよ〜。」などとリポートしている姿を見ると、この言い回しは既に日本語として市民権を得ているのかも知れません。かく言う僕もコンビニなどで「カードはお持ちですか?」と店員にきかれ、「ないです。」と言ってしまいます。「ありません。」「ないのです。」が正しい日本語です。僕の敬愛する宮沢賢治も「銀河鉄道の夜」の中で「何がしあわせがわからないです」と書いています。
結論として、「話し言葉としては市民権を得た日本語であるが、文章として書く際には文法上の誤りとして留意する事項。」としておきましょう。
的を得た
「的を射た」または「当を得た」の誤用です。年配の人ほど間違える可能性が高いのだとか。
「最近の若いモンは、日本語が乱れてるんじゃ!」とか言ってるおじさま。自分の日本語も正しいのか、確認してみてくださいましね^^
汚名挽回
「汚名返上」「名誉挽回」の誤用です。ちょっと考えりゃ、分かるでしょ、普通。汚名を挽回してどうする?w
これも年配の人が誤用してしまうケースが多い言葉です。
「ご苦労様でした。」
目上の人対して、「ねぎらう」言葉を言ってはいけないのが、尊敬語・謙譲語の特徴です。目上の人に対して、「ご苦労様でした。」「お疲れ様でした。」と言うのは、ねぎらう言葉なので使ってはいけません。
でも実際、職場などで上司が「お先に失礼〜。」と言ったとき「ご苦労様でした。」と言ってしまっても違和感を感じる人は少ないそうです。
では、なんと言うのが正しいのか?「どうも。」が一番無難だそうです。なんかちょっと失礼やしないか?と感じるかも知れませんが、これで良いんです!
腕白(わんぱく)
「わんぱく坊主」と聞いてイメージするのは、元気に外で遊ぶよい男の子の姿では無いでしょうか?しかし、わんぱくとは「子供がいたずらでいうことを聞かないこと。活発に動き回ったりいたずらや悪さをする・こと(さま)。」(大辞林より)と、かなり悪いイメージの言葉です。
この言葉が良いイメージとして定着したのは、某食品会社のハンバーグのCMで「わんぱくでも良い。元気に育って欲しい。」という台詞が有名になったことがきっかけとされています。
お友達や上司のお子さんに対して「わんぱくで元気なお子さんですね^^」と言ってしまっては、褒め言葉にならないので注意しましょう。
〜にも関わらず
「海外に行ったことがないのにも関わらず、英語の発音が非常に良い。」などと使いますが、この「関わらず」は使用する漢字を誤用しています。
「拘わらず」が正解です。
十時十分(じゅうじじゅっぷん)
「10時10分」と「十時十分」の違いは分かりますか?
前者は、アラビア数字表記なので「じゅうじじゅっぷん」と呼んで構いません。
しかし、後者は漢数字表記なので「じゅうじ じっぷん」が正しい読みです。日本語の「十」には「じゅっ」という読み方が存在しないからです。「じっ」という読みが正しいのです。
僕が中学生の時、国語のテストで「十把の読み仮名を書きなさい」という問題が出ました。僕は「じゅっぱ」と書きました。正解は「じっぱ」なのですが、○をもらいました。国語科の先生の認識が誤っていたのか、おまけしてくれたのかは、今となっては知る術がありません。
ヤバい
これは、「若者の日本語の乱れ」として代表的な言葉です。若者は、「とても美味しい」「素晴らしい」などの意味で使用したりします。「良すぎる」と言った意味合いでしょう。例:「この曲、マジでヤバい!泣けてくるわ〜。」「このハンバーグ、ヤバい!いくらでも食べられそう。」等。
本来、「ヤバい」は「悪い」という意味の言葉です。この言葉が、「良すぎる」の意味合いで使われるようになったのは、長野オリンピックでモーグルの里谷多英選手が金メダルを獲得したとき、実況していた解説者が「里谷選手良いですよ〜!…(中略)…これ、ヤバい!!!メダル行けますよ〜!!!」などと語ったことがきっかけのようです。
あなたは、「ヤバい」を「良すぎる」の意味で使いますか?
結論として「若者の間では市民権を得た使い方ではあるが、年配層にとっても日本語の乱れとして訝しがる使用法」としておきます。
写メ
「写メール」の略。KDDIの携帯電話サービス・auが用い始めた言葉です。
若者は、この言葉を「カメラ付き携帯のカメラ機能」の意味で使います。
しかし、撮った写真をメールに添付して送信して、初めて「写メ」なはずなのに、撮影した瞬間に「写メ」と呼ぶのはいかがなものか、と思ってしまいます。「携帯のカメラ」で良いのでは?そんなこと言っている僕は、既にオジサンなのかも知れません。
一匹の蝶
あなたは蝶を数えるとき、単位は何を使いますか?匹ですか?
残念ながら誤りです。蝶の単位は「頭」(とう)です。「一頭、二頭、…」と数えるのです。
しかし、僕が教師時代「ここに三匹のチョウチョがいま〜す。脚は全部で何本でしょ〜う?」なんて平気で指導していました。まぁ、小学生に対して「三頭のチョウチョ」と言うのは、少し違和感があるかも知れませんが。
他に、日本語でものを数える単位でよく誤用されるのは、箪笥(竿)、日本刀(振)、ウニ(壺)などがあります。
若者は、年齢を数える際、「ミホは私のイッコ下の後輩なんだ〜。」などと平気で言いますから、日本語の単位なんてそうそう気にする事項でなくなる時代が来るのかも知れません。
御芳名
結婚式の招待状の返信用によく書かれている「御芳名」ですが、これは誤った敬語表現です。
日本語で、敬語表現を重ねて使用する場合、二重敬語と言い、帝(天皇)にしか使用されません。しかし、「御芳名」は、「御」も「芳」も敬語表現です。一般の人に対して、二重の敬語表現を使用してはいけません。
これも市民権を得た誤用と解釈するのが妥当でしょう。
ちなみに、返信する際は、「御」と「芳」の両方に打ち消し線を引きます。(御芳名) 宛名の「行」に打ち消し線を引き、「様」または「御中」と記す場合と同様です。
ピアニカ
小学校の教師が、時間割を書く際、音楽で鍵盤ハーモニカが必要な時、持ち物覧に「ピアニカ」と書きがちですが、これは誤り。「ピアニカ」は商標(商品名)ですので、一般名である「けんばんハーモニカ」と書くべきです。
他に、商標が一般名と化しているものを挙げますと、「サランラップ」(調理用ラップフィルム)、「ウォークマン」(携帯音楽プレーヤー)、「エレクトーン」(電子オルガン)、「おたべ」(あん入り生八つ橋)と、かなりあります。