僕の歩いていた湿った道に ひょっこり咲いていた一輪の花 ひっそりと、でもしっかりと 濃桃色の裂けた花びらを見せ たくましく咲くエゾカワラナデシコ この花の名を冠す君にはしばらく会えない 19年後、もし会えるのなら 胸をはって「君の父親だ」と言える人間になっていたい 旅客金矢道の車輪が軋む音 君の泣き声に似て
戻る