2000年5月、僕だけに終戦が訪れた。

 誰にも話せないと思っていた。
 誰も分かってくれないと思っていた。
 周りはみんな「サタンの仔」だった。

 小さな頃、馬鹿げたことを考えて退屈な集会を凌いでいたことがあったっけ。
 「今まで教えられてきたことは全部嘘です」
 そんな発表、いつの日かあるんじゃないかって。

 あの日、僕にとっての
 ラジオはノートPC、天皇の肉声はWebサイト
 僕の耳に、終戦、いやハルマゲドンの到来を知らせていた。

 僕の耳にしか届かない玉音
 いつかは、みんなで分かち合いたい。

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